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2025年05月30日(金)
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養育費を増額させるために知っておくべきこと!

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養育費を増額させるために知っておくべきこと!

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子どもがいる夫婦が離婚する際には、「養育費」の話し合いは必ずつきまといます。親権問題や慰謝料が片付いたとしても、養育費は数年もしくは十数年にわたって支払う/受け取ることになります。

長い間生きていると、環境の変化はつきものです。離婚時には、両者の合意によって決められた養育費の金額も、子どもの進学や病気などで足りなくなってしまうということがあります。

そこで今回は、将来養育費に悩まされないためにも、養育費の相場と養育費を増額請求する方法についてみてみましょう。

養育費の相場を考えましょう
実際に養育費はどのくらい支払うのが妥当なのでしょうか。

実は、「養育費用算定表」という養育費の目安が家庭裁判所の裁判官によって発表されています。養育費の目安の基準になっているのは、「養育費を支払う側の年収」「親権者の年収」「子供の年齢」「子供の人数」です。

例えば、3歳になる子どもが1人だけで夫の年収が500万円、妻(親権者)が専業主婦であった場合、養育費の目安は5万円前後という計算になります。

3歳と5歳の子どもがいて、夫の年収は500万円、妻(親権者)が専業主婦であった場合、養育費の目安は9万円前後になります。

これに比べ、12歳と15歳の子どもがいて、夫の年収は400万円ですが、妻も働いていて年収が300万円ある場合には、養育費の目安は5万円前後にまで減ります。

さて、養育費は養育費用算定表を参考にするほか、このような基準を考慮して決定されます。

1.子どもの成長
子どもが成長すれば、それだけ養育費や生活費としてお金が掛かっていきます。もちろん、私立に通うのか、公立に通うのかによって学費は大きく変わってきますが、養育費というのは子どもの成長につれて増えていく、という前提はおさえておきましょう。

ただし、養育費を子どもの成長に合わせて増額させていくのか、平均的な金額を一定額支払い続けるのかは、両者の合意があれば自由に決められます。

2.生活保持義務
養育費の金額を決めるとき、非常に重要になるのがこの"生活保持義務"です。生活保持義務とは、自分の生活と同程度の水準の生活を子どもにも与えなくてはならないという義務です。

たとえ自分の生活を犠牲にしても親が子どもを産んだ以上は負わなければならない、非常に重要性の高い義務で、離婚してもこの義務を負い続けることになります。

3.大学進学の有無
子どもが大学に進学するかしないかで、養育費は大きく変わります。大学に進学するとなれば、その学費だけでなく入学のために塾に通ったり、入学後も下宿させたりしなくてはならなくなるかもしれません。

養育費の増額請求をできるケース
さて、ここからが本題になりますが、養育費の増額はどのようにして行うことができるのでしょうか。

その前に知って置かなければならないのが、「養育費を増額する」ことは簡単にはできない、ということです。養育費は離婚時の取り決めで、その取り決めを簡単に変更できてしまったら効力がなくなってしまうからです。しっかりと守られる取り決めにするためにも、特別な理由がない限りは変更はできないようになっています。

請求
養育費の金額は離婚時に決められますが、それは離婚時の経済状況を基にして決められた金額です。しかし、離婚後に両者いずれかの経済状況や環境が大きく変化した場合は、その理由に応じて例外的に養育費の増額や減額が認められます。

養育費を増額請求するに相応しい理由としては、具体的に「子どもの進学に伴う教育費負担の増加」「子どもの怪我や病気による医療費の発生」「看護者の怪我や病気、失業によって収入が減少」「物価や貨幣価値の大幅な変動」の場合です。

このような理由に当てはまったとしても、養育費を支払っている側にそれだけの経済的余裕がある、ということが養育費を増額するための前提条件です。

それを踏まえた上で、次に養育費の増額請求の流れを見ていきましょう。

養育費の増額請求をする流れ
基本的に、養育費を増額するために重要になってくるのは相手の合意です。もし、話し合いで相手が合意をしてくれるのであれば、それに越したことはありません。

しかし、離婚時に交わした取り決めに対して、自分に不利な条件を突きつけられた場合、快く承諾してくれる人はそういないものです。まずは、直接話し合いをするところから始まりますが、そこで話がまとまらなければ次のステップに進む、という形になります。

下が、養育費増額請求の流れになります。

1.直接交渉する
まずは、相手と話し合いができる状況であれば、直接話し合ったり電話をするといった手段で、養育費を増額できないか聞いてみましょう。元夫婦間の関係が良好で、増額に関する話し合いがスムーズにまとまったとしても、取り決めた内容は必ず書面に起こすようにしましょう。

もし、話し合いに応じて貰えない場合は、養育費増額を希望している旨を内容証明郵便で送ります。内容証明郵便は、郵便局が送付した書類の内容を証明してくれるので、相手に減額の意思を見せたことの証拠になります。

ただし、何も事前の相談をしないでいきなり内容証明郵便を送ると、受け取った相手は失礼だと怒りを買ってしまうかもしれません。

少し時間はかかるかもしれませんが、できるだけ平和的解決を目指すためにも、相手の歩調に合わせて交渉を行いましょう。

2.調停の申し立て
もし、話し合いや内容証明郵便でうまく話が進められないと感じたら、調停に移ります。

「養育費増額調停」では、基本的に裁判所で両者の話し合いをする形になりますが、家庭裁判所が間に入って両者の収入や家庭環境といった様々な事情を聞いて、問題解決のためのアドバイスをしたり新たな解決策を提示したりするという点で、ただの話し合いとは異なります。

手続きの流れとしては、養育費増額を請求する人が、原則として相手方の住所を管轄する家庭裁判所に申し立てを行います。

申し立てに際して必要になる費用は、子ども人数分の収入印紙(1200円)と、予納郵便切手(800~900円程度)です。

必要書類は、調停申立書とその写し1通、子どもの戸籍謄本、申立人の収入に関する書類です。必要に応じて追加の資料や証明書の提出を求められる場合があります。

3.まとまらなければ審判
養育費増額調停でも両者の意見がまとまらない(=不成立になった)場合には、そこから審判手続きに移ります。

審判では、調停委員が調停で話し合われた事情を考慮して、増額すべきかどうかを判断します。調停委員は、事実以外に両者の主張も聞いてくれますので、増額したい旨を調停でしっかりと主張できるようにしておきましょう。

審判が下された後は、審判書というものが作成されます。これは、調停調書や公正証書と同じく強制執行が可能になる効力を持つ書類になります。

養育費を増額させるために
養育費を増額させるために必要なこととはずばり、「子どもに想定以上のお金がかかること」と、「相手の収入から鑑みて増額できる」ということをしっかりと言えることです。

幼稚園から大学までどのような教育を受けさせるのかが、養育費が変わる大きな原因になります。公立の中学校にするのか、それとも公立にするのかによって養育費は変わります。また、先ほども"養育費の相場"のところで申し上げたように、大学に行かせるとしたら養育費は大きく変わってきます。それこそ、医学部や私立の学費は国公立に比べて倍以上違いますし、大学に入学するためには塾に通わせたり家庭教師を雇ったりしなくてはなりません。大学が実家から通えない場合は、下宿するためにもお金が必要です。

その他、養育費を増額しなくてはいけない理由として考えられるのは、監護者や子どもの怪我や病気による医療費です。

上記の支出がいくらかかっていて、今後はいくら必要なのかを計算しておいて、明示できるようにしておきましょう。そして、現在の養育費のままだといくら不足しているのかを算出します。

また、この計算と相手の収入を照らし合わせて、両者にとって無理のない金額を提案しましょう。

特に、話し合いが調停や審判に持ち込まれると、自分の収入だけでなく相手の収入を鑑みて客観的な判断が求められます。単に、「子どもの養育費にいくら足りないから」という理由だけで、増額請求をするのは難しいのです。

このように、「相手の収入」と「子どものどこにお金がかかるのか」をしっかりと把握しておくことがポイントです。

養育費が支払われない時は
養育費を増額したい、というよりも、養育費が相手方からきちんと支払われていないようでしたら、それは問題です。

養育費の支払いは親の義務であり、いかなる事情があろうとも無断で支払いをやめることはできません。養育費の減額を希望する際にも、きちんと話し合いの上で両者の合意が必要です。

もし、養育費が支払われなくてお困りの場合、まずは電話やメールなど一般的な連絡手段で相手に支払いを求めましょう。相手が不払いを認めたようなら、必ず期限を設けた上で支払いを要求します。

相手から返答が得られなければ、内容証明郵便で養育費を請求しましょう。内容証明郵便は、法律上の効力は一般の郵便と変わりはありませんが、郵便局が内容を署名してくれるので、相手へ養育費を請求したことの証明になります。

それだけでなく、内容証明郵便は相手にプレッシャーを与えるためにも有効で、「内容証明郵便で送ったら養育費を支払ってもらえた」というケースが多く存在します。ただし、養育費に関する相談を何もなしに、相手へこのような手段で請求を行うと、相手も驚いてしまいます。できれば、一般的な連絡手段で連絡を試みてください。

内容証明郵便を送っても、なお支払う姿勢が見られない場合は、裁判所で「履行勧告」の手続きを行いましょう。

離婚をする際に、養育費の支払いに関することは調停や裁判で決められているはずです。これらの決まりに従わない場合、家庭裁判所から注意をしてもらうことができます。これを履行勧告といいます。裁判所から履行勧告の連絡があった時点で、相手にとっては相当なインパクトがあるはずです。

履行勧告や履行命令にも従わない場合、最悪の手段として強制執行が考えられます。強制執行とは、養育費の支払い義務のある人から、地方裁判所が給与や預貯金、動産・不動産の差し押さえを行い、そこから養育費としてのお金に換えることを言います。

給与の差し押さえとなると、養育費を不払いのまま放置していることが会社にバレてしまうことになるので、給与を差し押さえる旨を相手に連絡すれば、この段階で支払いに応じてくれることもあります。

養育費増額請求のまとめ
子どもの教育費や生活費で困っている方は、養育費をより多く受け取れるようにするためにも、弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

弁護士は、養育費の増額請求が現実的なのかを吟味した上で、増額請求ができそうな場合はその方法を一緒に考えます。また、そもそも養育費の不払いに悩まされているようでしたら、法的に支払いを求める措置をとります。

養育費は、自分たちの生活を守るために必要なお金です。親が離婚したから、という理由で子どもに我慢をさせないためにも、まずは弁護士にご相談ください。
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