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2025年05月30日(金)
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離婚届の作成と不受理になるケースと気を付けるべき点はどんなこと?

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離婚届の作成と不受理になるケースと気を付けるべき点はどんなこと?

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ついに離婚を決意! では、その具体的な進め方は?
結婚の何倍もの労力がかかるとされる、離婚。

実際、いざ話し合いで離婚が決まったとしても、それで終わりではありません。ふたりで築いてきた財産はどうするか。子供がいた場合には、その親権をどうするか、などなど……。こうした諸々の話し合いを経て、離婚手続きを公式に済ませ、やっとふたりの関係は解消されることになるんです。

今回は、その離婚の手続きについて。具体的な進め方と、いくつかの注意点を書いていきたいと思います。

離婚届、その提出までの流れってどんなの?
離婚
離婚届なんて、紙一枚を役所に提出すればそれでおしまい、離婚成立じゃないの? と簡単に思っている方は多いです。

たしかに、日本の民法上、当事者の意思の合致と届け出さえあれば、離婚は成立するとされています(763条以下)。

役所の審査は、「必要事項が過不足なくきちんと記載されているか?」といった形式的なものですから、仮に強制執行逃れのための偽装結婚であっても、届け出に向けた意思さえ認められれば離婚が成立してしまうのが判例。

届け出さえきちんとしていれば、離婚の意思も当然に推定されてしまう、というわけですね。

逆に言えば、記載事項に不備があれば、当然、届け出は不受理となり離婚もできないわけですが、事前に準備しておくべき書類や書き方のポイント、届け出の方法などの注意点が意外と多いんですね。

そこでいったん、離婚届のもらい方から書き方、提出方法まで、一連の流れをここで説明しておきましょう。

まず、もらい方。

離婚届がどこで手に入るかというと、各市町村の役所の戸籍を取り扱っている窓口へ行きましょう。

もちろんお金はかかりません。なんとなく離婚届をもらうことに心理的抵抗を覚える方もいるかもしれませんが、理由を問われることは一切ないのでその点は安心して大丈夫でしょう。

また、離婚は極めてプライベートな事柄ですから、そういった面に配慮してか、カウンターに束にしておくことで自由に持ち帰りできるようにしてある役所も多いようです。

さらに、仕事や育児で取りに行く時間がない、という方もいらっしゃるかもしれません。役所は土日にはやっていませんし、たいていは平日の17時で閉まってしまうわけですから、それも無理ないことと思います。

こうした場合、役所のホームページにアクセスして、インターネットからダウンロードするという方法も可能です。ただし、サイズは一律でA3と決まっていますので、その点には十分注意しましょう。サイズが異なると受理されません。

次に、記載事項や必要書類。

夫婦ふたりの自筆サインは当然のこと、本籍(外国人の場合は国籍のみで可)、住所、世帯主の名前、両者の父母の氏名、協議離婚の場合、成人の証人2名の署名と押印が必要となります。離婚届の見本は、検索すれば出てくるのでそれを参照して記入していきましょう。

この証人は、二十才以上でありさえすれば特に制限は設けられていませんから、親族や友人夫婦などに依頼することになるようです。したがって、離婚届を提出する前に、こうした事情を打ち明けて2名証人となる方の了承を取る必要があるというわけですね。

また、記載事項としてもっと厄介なのが、離婚後の戸籍や姓、親権をどうするかといったこと。つまり、こうした事項に関しては、とりあえず離婚を成立させてから決める、というわけにはいかないのですね。

戸籍の取り扱いについては、主に二つ。除籍する側が、①元の戸籍に戻るか、②新たに戸籍を作るか、といった選択肢になります。

日本の場合、籍を抜けるのは妻の側が多いのでそれを例にとって話を進めますと、戸籍の取り扱いとしては、①よりも②新たに戸籍を作るほうがおすすめです。

理由は、親権との関係です。

離婚する夫婦の間に子供がいる場合、一般に、母親が親権を持つことが多いです。仮に親権の帰属で揉めて裁判にまで発展した場合も、子供の福祉まで考えると、母親に親権が認められる場合が多い。

たとえば子供3人いたとしても、兄弟不分離原則から、その全員の親権が母に帰属するのが通常です。幼い子供の健全な発展のためには、母親の存在がより重要、と裁判所としては判断しているというわけですね。

もっとも、親権と戸籍の扱いは別(親権があるからと言って同じ戸籍と限らない)ですから、戸籍を離れる女性としては、当然子供の籍も移し替える必要が出てきます。

ところが、戸籍は三代までしか記載できない、というルールがある。したがって、祖父母の代で作られた戸籍に戻った場合、同じ戸籍に入ることが出来ないんですね。

そのような事態を避けるためには、あらかじめ新たな戸籍を作り、子の戸籍も一緒に移し替えるといった方法がやはり最適といえるでしょう。

もうひとつ残っているのが、姓の問題。

民法上、離婚した場合には、籍を抜けた側の姓は自動的に元に戻ることになります(これを復氏といいます)。

しかし、中にはこの復氏を望まない方もいるんですね。

例えば、結婚後の名前で仕事をしていて、それがすでに浸透してしまっている場合。

離婚して姓を元に戻してしまうと、その仕事の依頼に支障が出てしまう、なんていうことは確かにありそうです。

そうした場合には、「離婚の際に称していた氏を称する届け」を別途手に入れる必要があります。離婚から3か月以内にこれを記載して役所に届け出れば、離婚後もそのまま同じ姓を称することが可能となります。

これらの事柄についてきちんと決定して、記入したら、いよいよ離婚届の提出ですね。

離婚には、協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3種類がありますが、その90パーセント以上が協議離婚といわれています。この協議離婚の場合には、基本的には離婚届のみ提出すればそれで完了です。

他方で、なかなか協議がまとまらず、調停や裁判にまでもつれこんでしまった場合には、調停調書の謄本や判決謄本、その確定証明書も一緒に提出する必要がありますね。

なお、本籍地以外の市町村役場で離婚届を提出する場合、さらに戸籍謄本が必要になる点は、細かいですが注意しましょう。戸籍謄本は本籍地の市町村役場に問い合わせないと入手できないため、こうした場合にはあらかじめ入手しておく必要があるでしょう。

提出は、本人によってなされるのが通常ですが、法的に限定があるわけではありません。

たとえばすでに別居歴が長く、互いに顔合わせしたくないといった状態になっている場合には、離婚届を相手方に郵送して提出にいってもらっても、友人に委託するでもかまわないです。

ただし、細かい点で訂正を求められた場合に本人確認が必要となることも珍しくないので、届け出をする場合には双方ともにいつでも電話に出られる体制を整えておく必要はあるでしょう。また、本人確認書類(免許証、パスポートなど)も提示する必要もありますので、その点も注意しましょう。

不受理申し出制度って何?その存在理由と届け出方法
上でも述べた通り、離婚届は必要事項の記載さえきちんとなされていれば役所に受理され、その時点で離婚成立となります。両社の署名押印が、本人たちの真意に基づくものであるか、といった検証はなされません。

行政側の業務の効率性の問題もありますし、当事者としても、協議さえ整ったらスピーディに離婚を成立させて、新しい人生のステージに立つほうが望ましいでしょうから。

もっとも、問題がないわけではありません。書面で作成されている以上、協議も整っていないのに署名や押印を偽造されて、勝手に離婚届を提出されてしまうというケースが、ときには起きてしまうのです。この場合、提出の後から不受理の申し立てをしても遅いのですね。

では、その場合には、勝手に提出された側はどうすればよいのでしょうか?

まず、離婚届を勝手に提出され、しかも受理されてしまったことが事後的に明らかになった場合。

このようなときは、まずは離婚無効確認調停を申し立てていくことになります。そして、その審判に異議があるときには家庭裁判所にて離婚無効確認訴訟を提起します。

これにより晴れて離婚の無効を確認する判決が出た場合、判決により離婚抹消申請がなされて戸籍が訂正され、法的には夫婦としての関係が復活することになっていくのです。

もっとも、こうした手続きは非常に煩雑で、時間も労力もかかりますから、当事者双方にとって負担は大きいです。そこで、こうした回り道を避けるために用意されたのが、離婚届不受理申出制度でした。

この不受理申し出をあらかじめしておけば、申し出の日から半年の期間は、離婚届を提出しても自動的に不受理になります。配偶者が離婚を求めてきたけれど自分としてはしたくない、でも強硬に離婚しそうな気配があるな、と思ったらこの不受理申し出をすることをおすすめします。

もちろん離婚届の偽造は犯罪なのでめったにおこることではないですが、不安を拭い去ったうえで話し合いに臨めるといった点でもこれをする意味はあるといえるでしょう。

入手から提出までの流れは、離婚届とほぼ同様です。全国どこの役所にも置いてありますし、そこに出向く余裕がなければホームページからダウンロードすることも可能です。

もっとも、すべての自治体でダウンロード可能なわけではないので、このあたりは自分の自治体での取り扱いを確認する必要はありそうです。

離婚届との違いがあるとすれば、提出は当事者本人がしなければならない、ということ。不受理申出書、申出人の印鑑、免許証など本人確認書類を持参すれば、記載に不備がない限り受理され、上に書いたような効果が発生することになります。

なお、勝手に離婚届を提出される危険がなくなった場合には、不受理申出書の取り下げ書と本人確認書類を、不受理申出書の提出先に提出すれば足ります。

離婚届提出により、晴れて離婚完了! その後の流れは?
離婚
財産や子供のことなど、たくさんの話し合いを経てようやく成立するのが離婚ですが、晴れて独りの身になった後にも、気になることはたくさんありますね。

母子家庭となってしまった場合には、年金、医療保障、住宅、仕事、再婚などなど。

そこで、次に、これら諸々の、新生活を始めるために不可欠な事柄について、順に説明していきます。

まずは、年金。離婚前であれば、サラリーマンの妻で年収が130万円以下の場合、夫の加入している厚生年金から保険料が支払われるのが一般的ですが、離婚後はそういきません。

保険料も自ら支払わねばならないため、被保険者の類型が変更されるとしてその変更の届け出が必要となります。

もっとも、2004年の年金制度改革を受けて、結婚期間中の年金積立実績がある場合には、離婚後にこれを分割することが可能となったため、そのぶん経済的負担は軽くなりました。

片方の配偶者も家事労働によって年金保険料の支払に貢献した以上,年金受領金額に反映させることが公平だ、という考えが反映された結果です。

また、医療保障も変更の必要があります。具体的には、サラリーマンの妻で専業主婦だった場合、健康保険も国民健康保険に変更しなければなりません。

なお所得が低い場合には減額制度もありますし、医療費の助成制度を用意している自治体もあるため、よくよく情報収集することが大切でしょう。

さらに、離婚時に同居中だった場合には、借りていたマンションの賃貸借契約を解除して、新たに住宅を探さねばなりません。場合によっては解除による違約金も必要となるでしょう。

離婚後に安く快適な住宅を探すのも一苦労です。国の制度としては母子家庭に対する住宅補助は行われていませんが、各自治体で国のかわりにこうしたサービスが行われています。

たとえば、公営住宅の当選率をアップする、住宅使用料を減額する、住宅手当額を5000円から1万5000円の範囲内で支給する、などなど。自分の属する自治体においてどのようなサービスがなされているか調べて、積極的に活用していきましょう。

さらに、再婚して再び専業主婦になるのでもない限り、家事育児と仕事を両立していかなければならなりません。離婚後、急に働くことに対し、不安を覚える方も少なくないですが、そんな場合は家事育児との両立支援ハローワークやパートバンクなどで職業相談をしたり、紹介を受けるとよいでしょう。

また母子家庭の母親の場合、技術専門学校の選考を経て通過すれば、授業料免除になるなどのサービスもあります。

加えて、仮に18歳未満のお子さんがいる場合、児童扶養手当と児童手当、さらには生活保護制度も利用して生活基盤を確保していきましょう。母子家庭を支援する国の制度はまだまだ貧弱との批判は強いですから、利用できる福祉制度はすべて利用するくらいの心構えで臨みましょう。

なお、地方自治体の制度である児童手当と、国の制度である児童扶養手当は名前が似ていますが別物ですので、重ねて利用することは可能です。児童手当は子ども手当、児童扶養手当は母子手当と呼ぶとわかりやすいかもしれませんね。

支給額は所得(収入から給与所得控除等を行った額)によって変化しますし、自治体によっても異なるため、各自調べて申請する必要があるでしょう。

再婚相手が見つかった。いつから再婚できるの?
離婚した後、再婚相手が見つかった。それ自体はとてもおめでたいことですが、民法は女性に対して一定期間再婚を禁止する規定を設けています。

これ、最高裁によれば、父子関係の混乱を避けるため、との説明がなされていますね。民法では、離婚後300日以内に誕生した子供は前夫の子供と推定されることになっています。また、再婚後200日以内に生まれた子供は後夫の子供とされています。

そうすると、仮に女性が離婚直後に再婚、妊娠してしまうと、この推定期間が重複し、どちらが本当の父親なのか父子関係をめぐる紛争が起きてしまう危険があるのです。

こうした混乱を避けるために、民法は一定期間、再婚を禁止したというわけです(具体的な期間は、これまで半年とされていましたが、2016年の民法改正により100日間に縮小)。

もっとも、これはあくまで父子関係混乱を回避する、といった趣旨で設けられた規制ですから、一定の例外もあります。

たとえば、離婚時すでに妊娠していた場合、生まれた子供は法的には前夫の子と推定されるため、すぐに再婚することは可能です。

また、高齢や体質により妊娠が不可能な場合、夫が長期間行方不明で離婚が成立した場合にも、父子関係をめぐる混乱が起きないことは明らかですから、やはり再婚禁止規定は適用されません。

では、離婚時に妊娠していない旨の診断書を発行して証明すれば、やはり父子関係の混乱は生じないのだから、再婚できるのではないか、と思いますが、こうした措置は今のところ認められていないようです。

DNA鑑定など、科学的に父子関係を明らかにすることができるようになった現代において、こうした規定をいまだに残していることについては、一定の強い批判があるところなので、ゆくゆくは排除されるかもしれません。

しかし、現段階では100日の再婚禁止ルールは維持されていますから、その点については仕方ないものとして心にとめておきましょう。

以上、離婚届の入手方法から離婚後の生活まで大まかな流れを書いてきましたが、それだけでも公的手続きの多さは十分に伝わったものと思います。

これに加えてさらに、住所や姓を変更するときには銀行手帳、郵便貯金、免許証、パスポートなどの変更をし、さらに小さな子供がいて生活が苦しいときは生活保護などの申請をして生活環境を整えていかなければなりません。

離婚は人生の一大事。慎重に決定した後は、十分な情報収集と下準備をして、新たな生活に踏み出しましょう。

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